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2016年8月10日水曜日

ホロスコープは読み手次第 その1


ホロスコープは正直です。

これは幾度もブログで繰り返してきた言葉です。
ホロスコープは間違わない。
ちゃんと提示している。

しかし、星々の動きをどのように表現するか。
それは本人に任されています。
そのチャートを持って生きている本人です。



ホロスコープは、一枚の映像です。
プリントアウトした紙に印刷されたものであろうが、PCの画面上に表示されたものであろうが、同じ画像です。



これはメジャー3000本安打を達成したイチロー選手のチャート。
(おめでとうございます~~~!!! 私たちの誇りです!)

このチャートを誰のものだとかいう事前情報もなく、何の先入観もなしに見て、スポーツの世界で大成するというという結論をすぐに出せる占星術師がどれくらいいるだろうか?
たしかに火星は月やノードとの間にグランド・トラインもあるし、土星と月とは小三角もある。
アスペクトばかりに目が行く段階だと、火星だ火星だ、スポーツだよ! という結論は出てきやすいのですが、実際にはそんなに単純ではないのです。

ほかにも見るべきポイントがいくつもあり、この一枚のチャートを見て、音楽や芸術の世界で生きる人かも、という可能性を指摘もできるし、10ハウスの冥王星を重視して不動産や建設関係の仕事をする人かもという指摘をする占星術師もいるでしょう。
子供にかかわる仕事とか、あるいは住宅関連とか。

いろいろな可能性が見えてきます。
このチャートはサイトから拾った出生時間で出しているのですが、それが本当に正しいいのかな? という疑いすら出てきかねません。
もちろん私はこれで正しいだろうと判断できますし、その根拠も実は深いところにはあります。
さらにこのチャートであれば、日本よりもアメリカのほうが活躍できる、高い評価を得られる、という可能性も指摘できます。

これらはかなり習熟しないと出てこない結論です。
逆に言うと、何の事前情報もなくこのチャートを見た場合、はっきりしたことがわからない、あるいは違ったアドバイスをしてしまうということすら考えられます。

このようなことは、他人事ではなく、私自身も日常のいましめ、用心として持ってはいますが、やはり人間ですから、100%間違わないということはありません。

イチロー選手のチャートは、彼の人生を物語っていますし、表現しています。
しかし、どのように表現するかということは、イチローさんご自身によって決められます。いくつかの選択肢の中で、やはりチャートに沿った別な表現を取ることも考えられます。

そこが占星術師の課題であり、解読の技術ということになってきます。

トータルな意味で、チャートをどのように捉え、理解し、解読を進めていくか。
これは占星術師によって異なります。
もちろん、習熟度によって大きく違ってきます。
占星術は底がない世界なので、どこで十分だという表現は難しいのですが。

この点について、もうちょっと書いてみたいと思います。
続く……