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2020年4月24日金曜日

レクティファイという峰

毎年、この時期になると占星術講座の上級クラスでは、「レクティファイ」の講座に入ります。
レクティファイというのは、出生時間がわからない人のホロスコープを、さまざまな人生情報から逆算して出生時間を推定調整していく技法です。

日常の鑑定でも……
配偶者や交際相手の出生時間がわからない(その時点ではその情報を持っていない)ということはよくありますが、
その人のことやその取り巻く情報をお伺いすると……
「このへんの時間じゃないかな~」というのが出てくることはよくあります。

そして、後日、「わかりました! だいたいいわれていた時刻でした!」というご報告を受けることも、珍しくはないのです。

まあ百発百中とまでは申しませんが、かなり近似した数値が出ていたり、そのものずばりということもあります。
ホロスコープが科学的な根拠のないものだというのは承知の上で申しますが、
しかし、本当の意味でなんの法則性もない妄想だったら、そのような結果は出てこないはずなのです。
たとえば、7時台とか8時台という推定で可という条件ならば、24人に1人しか正解は出ないはず(24時間の内の一つですから)。

しかし、実際には正解か、違っていたとしても「当たらずといえども遠からず」というような結論であることが、圧倒的に多いのです。

とはいえ、レクティファイをしやすいチャートとそうでないチャートもあり、そうでないチャートでは「二つくらいの可能性」を残して、絞りきれない場合もありますし、
情報不足で絞れない場合もあります。
確定的な客観情報が少ないと、どうしても「揺らぎ」を生じやすくなります。

とくに客観情報ではなく、主観的な「このような人だと思う」「こうだったと思われる」「自分はこの人をこう感じる」というような曖昧な情報だと、私も外してしまったことがあります。
性格とか日頃の行動パターンなどは、根拠として弱いケースが多い。
そのようなものの羅列の情報になると、もはや推理する側としても、まったくピンとこないものです。

でも、「こんな出来事があった」「この人の兄弟にはこんな人物がいる」「どんな職に就いている」「健康問題としてはこういうものが顕著にあった」などの客観情報が多数存在していると、絞り込みやすくなりますし、ジグゾーパズルのピースをはめ込んでいくような、間違いのない路線での作業をしているという実感があります。


レクティファイというのは、一種の「つじつま合わせ」です。
私はこの作業が楽しく、しかも比較的短時間でできてしまうことがあります。
この「つじつま合わせ」というのは、詰まるところ、推理小説の謎解きと同じなんですよね。

つまり推理作家としての経歴も持つ私には、非常に得意とするジャンルなのです。

金田一耕助なんかは、諸々の伏線情報をつなぎ合わせて、「これしかない」という結論を紡ぎ出していくわけですが、それがレクティファイとまったく同じということ。

つまり、ほとんどは論理(ロジック)なんですよね。

あれをAだとすると、Aによって決定づけられるBはこうなる
Bがこうだとすると矛盾するので、Aを満たす別なCという可能性を想定してみる
Cならば、AもBも成立する
しかし、その場合、Dが説明できない……ならば……

というような論理展開を、いろいろ繰り返すわけです。
こういうシミュレーションを幾通りも短時間で行える脳を、人間は与えられています。

これは個人の能力の差もないとは言えませんが、多くはその人が持っている情報量と「経験知」の差です。
「情報の量」と「経験に基づいた知識」は異なります。

情報は誰でも持つことができる。
経験知は、情報に基づきながらそれをどう運用するのが正しいか、というようなものです。

このこの経験知の差を、人は「能力の差」と思いがちですが、実際には情報量をちゃんと持ち、後は経験に基づいた感覚を養えば、誰でもそこへ至ることができるはずなのです。

この基礎的な情報提供を、占星術講座の初級と、上級のここまででやっていた。
そして、レクティファイに取り組んでもらう……
レクティファイのやり方について伝授した上で。


今年も解答は、ほぼ正答かその近似値(全員が解答しているわけではない)。

教える側としては、とても満足。
甲斐があったと感じます。

上級クラスも、峰を越えたかな。

ま、

о(ж>▽<)y ☆うれしいっ

わけです。


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