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家族を持つ一人の男として

心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。


2015年10月4日日曜日

大失恋した

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世の中には福山ショックが吹き荒れていますが。

実は私もつい最近、大変にショックなことがありました。


私の過去を知る人は、よくご存じかと思うのですが。

私はライダーでした。

…いや、仮面ライダーじゃないですよ。
…Blackは好きですけど。

バイク乗りだったのです。

昔書いた小説の登場人物も、そういうのが多かったですね。

ところが、その後、結婚して子供が生まれ、車中心の生活にならざるを得ず、私も生きていくのがやっとというようなぎりぎりの状態が長く続き、虎の子のTZRもろくに走らせることもなく、車庫で腐らせてしまい……

そうやって歳月が流れてしまいました。

マニアックな話で恐縮なんですが、私の若い時代には空前のバイク・ブームがあり、漫画の『バリバリ伝説』ほかのヒット作があり、CBやKATANAが峠を駆け回るシーンにしびれ、トム・クルーズが『トップガン』でNinjaでかっこ良くすっ飛ばし……

レースの世界も大盛り上がりでした。

そしてずっと乗りたいと思っていたバイクがありました。

スズキのGSX400S KATANA(カタナ)です。
ま、250でもいいのですが。


バイクの雑誌などは今でも時々買って読んでいたり、中古バイクの雑誌なども、たんに「いいなあ~」という感じで眺めることがあったのですが。

先日来、どうも疼く……

バイク乗りたい熱が。


そして……ある日、見つけてしまったのです。

中古バイク雑誌の片隅に。

なにかこう、ビビッとくるKATANAを。

もう生産も中止になっているバイクですから、程度の悪いものや、おかしなふうに改造されているものもあるのですが。

そのKATANA400は、カスタムされているのですが、なんかこう、オーラが違ったのです。

しかも地元の店。


見に行きたい!!

雑誌で発見した三日後くらいに、とうとう奥さんを連れて、そのKATANAを見に行きました。

そこには、


まさに珠玉の一台


があったのです。

カスタムはされていますが、大半はメーカーの量産品の流用なので、車検もOK。

おかしなバランスの崩れた改造ではなく、見るからに完成度が高い。

美しい仕上がり。


カスタムされたパーツを見ると、おそらくこの一台を作るためには、KATANAの新車がもう一台買えるくらいの金額が投入されています。いや、もっとかもしれない。

それが、今の私でも手の届くような破格のプライスで出ているのです。

奥さんの「いいよ」という寛大な、仏様のようなお言葉に、私はお店の中へ。

私 「あのー、KATANAを見に来たんですが、あれって……」

店主 「あー、あれ。ああ、あれねえ、先週売れちゃったんですよ」


…………


ガーーーーーン!!!



なんでも九州のほうへ嫁に行くとか。

こ、こんな…こんなKATANA、きっともうお目にかかれない……(T_T)


なまじ現物を見てしまったがために、ショックは並大抵ではありませんでした。

しばらく車の中で、ため息ばかり。

「あー、こんな受けて落ち込んだこと、ここ久しくないわあ」

激落ち込みの度合いがあまりにひどいので、しみじみそんなことを言いました。

自分でも驚くほどのショックだったのです。


私は芸能人の方に入れ込むということがほぼない人間なのですが、マシャ大好きだった方が受けているショックが、なんとなくわかった気がしました。



あああ~~~!

ほんとにタッチの差。

なんでもう数日、早くに見つけなんだんやろ~~~。