この頃、めっきり春めいた陽気。
熊野神社近くの公園の河津桜も、一気に満開へ。
こんな時節なのですが……
というか、こんな時節だからこそか。
じつは、「別れ」がありました。
それは二つの「別れ」です。
一つは、過去のある自分との別れであり、
もう一つは……
2015年の秋に愛知県から、はるばるやってきました。
いつか乗りたかった、自分にとっては最高のスタイルのバイク。
しかし……
どうにも乗ってやれない。
生活が優先されてしまい、車ばかり使ってしまう。
このバイクはエンジン始動の点火に若干の難点があり、ちょっと放置すると、セルが上がってしまうくらい回しても始動できないことが多く。
そうなると、よけいに乗るタイミングを逸してしまい……
それでも、手元に置いておきたかったのですが。
ここ2年ほどの、自分のコンディションの変化が激しすぎ。
このままでは、ライダーとしては復帰できそうにない。
これは、まったく感覚的なものなので、説明しづらいのですが。
かなり心理的なものです。
大きなエネルギーの塊を扱うことへの恐れみたいなものが生じ、これは自動車に乗っているときでも、しばしば顔を出します。
(買い物に行くとか、日常的な使い方ではまったく問題なし)
こんな自分では、もうKATANAに乗ってやれないのでは。
そう思うようになって、久しく。
またガレージに入れたままにしていることにも、「すまない」という思いが募ってきて……
誰か愛好家に乗ってもらったほうがいいのではないか。
そう思うようになりました。
このKATANA250は、たぶん1992年前後の型で、つまりもう20年前のバイクなのです(250ccなので車検証がない)。
目立った転倒傷などもなく、この年式のバイクとしては、
〝サバイバー〟
といえるほど、美車なのです。
しかも、リアルに走行距離がメッチャ少ない!
愛好家には垂涎ものです。
行き取りに来た業者のオニイサンもそのようなことを言っていました。
手放すのは、悲しいけど。
引き取ってもらいました。
タンクにヨシムラ、スイングアームにNGKのステッカーが貼ってあるKATANA250。
もし、どなたか、これを手に入れたかたがいらっしゃいましたら。
それは、私が乗っていたものです。
(ステッカーは前のオーナーが貼っていた)
どうかどうか。
可愛がってやってください。
大切にしてやってください。
お願いします。
(T_T)
こうして、昨日、KATANA250とお別れしました。
今もちょっとブルーです。
これは、過去〝ライダーであった自分〟とのお別れでもあります。
バイクは、私の未来を開いてくれた友でした。
限界集落で生まれ育った私は、「町」の生活を長くしていませんでした。
でも、高校に進学し、そこは学校が認めた者には原付での通学を許可する、というシステムが珍しく取られていて。
そこで、初めてホンダのシャリィというバイクに乗りました。
感動しました。
どこへでも行ける。
本屋にも行ける。
町に自分で行ける。
嬉しかった。
いや、あんまりピンとこないかも知れませんが、バイクが私の世界を広げてくれたのです。
その後、中型の250~400を幾台か乗り継ぎ、やっぱり最後に欲したのは、
若かりし日々の自分が、一番乗りたかったKATANAだった。
そして、ライダーであったからこそ、過去、小説家として一時的な活躍もできました。
でも、もう上記のコンディションの変化が顕著すぎ。
ライダーとしての自分が終わりかな、と思っています。
(たぶん、家族はそのほうが安心する)
あるとしても、カブとかスクーターみたいなのはあるかも知れないけど。
現状の生活が続く限りは、自転車に乗ったほうが現実的です。
感覚が戻る日が来るのかどうか。
それも分かりませんし。
さようなら。
私の愛したバイクたち。
さようなら。
ライダーであった私。
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