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2018年12月8日土曜日

文学に焦点を当てると……

先日、大学の講義で江戸時代の文学のまとめを行いました。

江戸時代には、大変数多くの物語が創作されました。
「好色一代男」 浮世草子=人間の欲を赤裸々に描いた破天荒な男の人生
「東海道中膝栗毛」 二人の男の滑稽な旅行記
「曽根崎心中」 言わずと知れた心中ものの悲恋
「南総里見八犬伝」 今で言うところの伝奇小説の超大作
「東海道四谷怪談」 人間の邪悪さを描いた怪奇談

これらはすべて講義で取り上げましたが、まことにバリエーションが多い。

江戸という太平の世が到来する前は、約300年もの間、新作の物語では目立ったものがないのです。
いうまでもなく、戦乱の世が続き、たぶん創作されたものがあったとしても消失などしたのだと思われます。
生きるか死ぬかみたいなご時世では、物語を悠長に語っている余裕もないでしょう。

また、戦国時代にはまだ絶対に不足しているものがありました。


それは「教育とその普及」なのです。

大学の講義の中でも語ったのは、江戸時代に日本人の識字率が非常に高くなり、明治に移行する頃には、おそらく世界最高水準に達していたということです。
一説には8割程度という驚異的な数字が持ち出されることもあるのですが、正確な統計が取られている時代のことではありませんので、はっきりとはわかりません。

しかし、ざっくりとした見方をしても、欧米よりもダントツに高かったと言われます。

明治維新後、急速な近代化を成し遂げたわけで、これが当時のアジアの中で日本にだけ可能だったのは、江戸時代に国民全体の教養が底上げされていたからです。

こういうことも大学で語らせていただきました。
多くの日本人が知らず、まして留学生などまったく思いも及ばないことだからです。

日本が世界最高水準の教養と道徳性を備えていたことは、当時の欧米旅行者や布教者の報告などからも確認できます。

こういう誇るべき歴史も知らないのは不幸なことだと思います。

そして、こうした教養や道徳性を育てたのが江戸時代だったのです。
封建社会でしたが。
多くの人々、子供たちに教育を与えた。

結果、江戸時代には数々の物語が創作された。
多くの書き手によって。

江戸封建という社会システムが良かったとか、そういうことが申し上げたいのではなく、私が申し上げたいのは、

平和な時代が続くことの尊さ。
教育の大切さ。

この二点です(ここは講義でも声を大にして訴えました)。

江戸時代は265年も続いた太平の世です。
世界史的にも稀なものです。

戦後、今日本は70数年の平和な時代を過ごしていますが、江戸時代に比べたらまだまだ短い。

おまけにかつての道徳心は薄れているように感じられる事件も多い。

しかし、それでも。
3.11や他の災害時に見られ、世界でも驚かれる秩序や徳性は、今でも私たちの中に潜在し続けていると信じます。

文学に焦点を当てると、そんなものも見えてくる、というお話でした。



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