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2015年7月15日水曜日

水のエレメント的な生き甲斐

この「エレメント的生き甲斐論シリーズ」は、かつて旧アメブロで12星座別生き甲斐論として連続記事にしたものを、エレメント別にまとめ、改稿したものです。
生き甲斐論は、それぞれの星座的な資質に合った人生の充実を考えるきっかけとして書かれたものです。
ただ、この見方も、当時とは私の見方も深まったり、表現の仕方も変えたりしていますし、エレメント別の記事にすることで、より個性が明瞭になっています。

ただし!
ご注意ください。
このシリーズの中で扱われる「星座」は、あなたの生まれ星座のことを必ずしも意味しません。
獅子座の生まれだからといって、この中の獅子座の項目が当てはまる人物かどうかわかりません。

星座の解説は、この生き甲斐シリーズに照らして、もっともつかみ所となる部分をピックアップしております。
なので、このシリーズ記事全体を読んで、「あ、自分はこういうところがあるな、これに一番共感するな」と思うようなエレメントや星座を参考になさってくださいね。



☆水のエレメント☆


情緒的で感覚的。感受性が豊かなので、環境の影響を受けやすい。理屈ではなく共感や情で反応する。涙もろく同情心に富んでいる。本心や内面を隠す傾向があり、情に流されやすい。



蟹座

4番目の星座、蟹座。
風のエレメントが、知の発展プロセスであったように、水のエレメントでは情の発展プロセスをたどるような側面があります。

蟹座の定位置である4ハウスは、家庭の部屋であります。
もともと蟹座は母性の星座でもあり、ここには著しい関連性があります。
子供は母に抱かれ、乳を与えられ、家族に囲まれて、この世での生活を始めます。
そこで育成されるのは、情操です。

これで子供側に養われるものでありますが、じつは親も子供を得ることで親としての情操を養われます。
ここで養われる情操というのは、そうした関係すべてのものです。

蟹座の支配星は、月です。
月は母性の星でもあり、同時に幼児の星でもあります。
つまり母子の星とも言えますが、そこには細やかで親密な愛の交流があります。
だからこそ、傷つきやすくもあります。

蟹座は山羊座の対向星座でもあります。
山羊座は社会の中での実現を求めていきますが、蟹座はもっともっと個人生活の中での実現を求めます。
保守的で内向的といわれるのは、こうした資質すべてが関係しています。
蟹座はとても繊細です。何かに脅かされること、荒々しい雰囲気とかにはもっとも敏感で、傷つきやすい。

それはできたてほやほやの、傷つきやすい情操だからです。
そのデリケートな心を守るために、保守的にもなります。
また家族を守ろうともします。

模倣性が強いのも蟹座の特徴ですが、子が親に似るのは、その親の仕草や雰囲気を無意識に受け取っていくからですが、無垢の情操は人からの影響を受けやすいからです。

蟹座の生きがい、それは身近な人たちとの親密な愛情の交流と、その喜びです。



蠍座

8番目の星座は蠍座です。

蟹座で育まれた情。不動宮の蠍座は、これを自分のもとへもっとも引き留めます。
自分の感情も他人の情もです。
そのため感情を外に出さななかったり、大事なことも言わずに黙っていることがあります。蠍座は秘密主義といわれますが、その根っこはこんなところにあります。

蠍座は嫉妬深いともよく言われますが、おつきあいする人がいればその人とも非常に深いところでつながっていたいと望む星座です。それはやはり情をつなぎ止めようとするからです。
蠍座が本当に求めるのは、相手との一体化だからです。

でも、現実には人間は別個の存在で、完全に一つにはなれません。
もし一つになれるとしたら、それは自分や相手の(エゴの)死を意味します。
自分というものがなくなってしまわないと、相手と一体化することはありません。
蠍座やその支配星の冥王星が、死に関連する意味を持つのもそのため。

対向星座の牡牛座は、自分と相手を分けた上で、所有するという姿勢なのですが、蠍座は自分と相手を分けず、その境界線も本当はなくしたい。
あなたと私は一つ。
一体のもの。
ゆえに別れはあり得ない。
それは身が裂かれるのと同じこと。
だからこそ、相手の離反は許せない。
裏切りは絶対に許さない。

こうした流れの果てに、蠍座は世間で言われるような情が濃く、嫉妬深い星座という性格を帯びてゆくのです(星座論です。個体の話ではありません。個人の愛のありようなどは、個人チャートを作らないと判定できません)。

蠍座の支配星である冥王星は、「絶滅」「絶対」などというキイワードがついて回るような、極限的な性格を持つ星です。
極端なのです。
好きなら好き。嫌いなのは嫌い。
愛ならば100%ください。あなたの中の50%とか70%じゃ嫌です。
しぼりつくすくらい全部ください。
中間は嫌です。灰色とかないです。白か黒か。それが私の世界観!
これが冥王星です。

こんな蠍座的な人の生きがいとは、もはや言うまでもないでしょう。
より分かりやすく、現実的な言い方で表現すると、愛する人と身も心も完全にひとつになれるということを実感することこそが、蠍座の生きがいなのではないでしょうか。
刹那的にはそれはセックスであったりするかも知れません。
しかし、精神的な領域も含み、存在全体で愛する人と自分が一体であると感じられるとき、なのです。



魚座

最後の星座、魚座。
12星座の中で最終地点にある魚座は、魂の終着点です。
同情心ゆたかな心を持ち、献身的、周囲からの影響を受けやすく、善にも悪にも染まりやすい。直感的、情緒的。
そのようなことが言われる性格はどこに由来しているのでしょう。そして、そんな魚座の生きがいとは?

魚座が情の星座であることは疑いを入れません。ある意味、もっとも情にもろい星座なのです。
情のもっとも発展した段階で、しかも柔軟宮であるためです。
柔軟宮は変化しやすく、影響も受けやすい。

人の気持ちを感じ取り、受け取ることが多くなります。
そしてそれに感応します。涙もろいのも当然のこと。
泣いてすがられたら、ついほだされます。

魚座の支配星の海王星も、同様な資質を強く持ちます。
受容性は最強で、何にでも染まります。聖なるものにも邪なるものにも。
魚座も海王星も、非常に崇高で清らかなもの、それと真逆な俗な汚れたもの、どちらにも染まるのです。
周囲に存在する人によって、これほど変わる星座もなく、そのためエゴ、自分というものが希薄です。

自分の性格がわからない、何をするために生きているのかわからない。
よくそんな感覚を持つ多くの人が、魚座や海王星に影響を強く受けています。
自分が希薄であるためですが、しかし、それは魚座的な良き美質にもつながっています。

魚座ほど人のために尽くせる資質はありません。
自分が希薄であるために、とことん相手のために行動できるからです。
情の強い水のエレメントだからこそ、理屈ではなくそうせざるを得ないのです。
そして柔軟宮であることで、それはどこまでも拡散します。

対向星座の乙女座は、地の現実的に役立つことで人のために働きます。
そのために有能であろうとします。
しかし、魚座は自分の能力にはあまり関係なく、情で人のために動きます。

ここから魚座は献身的で人のために尽くすという性格を付与されるようになるのです。
結果、職業的には医者とか看護士とか、福祉、あるいはカウンセラーやセラピストといった人を癒し、助けてあげる職業が魚座の支配するところとなり、また魚座やその定位置である12ハウスに重要な星が関わっている人は、現実にそのような道を選択することが多くなります。

芸術や音楽なども、ほとんど同様な癒す効果を持つために、海王星や魚座のものとなっていますが、芸術性も自分が希薄であるからこそ、エゴを入れることなくインスピレーションを受け取れます。

このようなあり方は、もっとも菩薩的というのか、この現実の世の中で、高度に精神が発達しなければ難しいものです。
もちろん魚座生まれの人が、みな、精神的に高度というわけではありません。また医者や癒す仕事に就いている人が、かならずしもそうではありません。
魂のプロセスとしての魚座の話であり、そこで人はもはや「自分」ではなく、「他人」のために生きるようになります。
いや。
これは正確な表現ではありません。
魚座的な質が強い人によっては、本当は「自分」と「他人」に区別はなく、他人のためにしているのではなく、他人のためにすることがそのまま自分の喜びでもあるのです。

それが魚座的な生きがい、生きているはりあい、生きていて良かったと思うことにつながります。
愛する人に尽くすこと。
世界中の貧しい人ためのために、弱者のために救済を行うこと。
芸術の中で無となって表現すること(でなければ、神的なものは受信できない)。
小さなことから大きなことまで。

だけど、自分が希薄だとしても魚座も人。
情の星座。
そうした自分の活動が愛する人からの笑顔であったり愛であったり、助けた人から返される感謝の言葉であったり。
そんな人との情のやりとりこそ、魚座的な喜びにつながっていくでしょう。




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