今朝、朝の情報番組か何か見ていたら、星野源さんと菅田将暉さんが対談しているのをたまたま見て……
星野源さんが
「自分のがなくなったときが一番いい演技になる」
「台詞がどうのこうのじゃなく、すんなり言葉が出るとき、その役になりきっている」
「音楽でも同じような自分がなくなるゾーンがある」
というようなお話をされていました。
ああ、このかたも〝自分がなくなる〟領域を知っている人なんだと感銘を受けました。
このブログでも何度もお伝えしてきましたが、
何かをクリエイトする最高の瞬間は、自分が消えてなくなっています。
書き手としての私は、それを深く深く確信しています。
うん？
いや、確信じゃない。
信じているのではなく、たんに知っているのです。
これを別の言い方をすると、「自分が器（うつわ）になる」ということです。
器は空っぽです。
これが、自分がなくなるということです。
器が〝いれもの〟で、外側の殻の部分だけがあるわけです。
これが、つまり〝人〟ということです。
この世に存在している私たち。
私たちは、みんな、器です。
この器を何で満たすか、ということ。
エゴで満たすこともできます。
・名を上げたい！
・儲けたい！
・勝ちたい！
・見返したい！
・復讐したい！
・認められたい！
・怖いから〇〇しないと！
なんでもあります。現世に生きる私たち魂が抱く想いの数々。
自分を軸にすると、まさにこれ、エゴの思考と願望。
器の中に自分を満たすというのは、つまりはエゴを満たすということです。
この場合は。
このエゴによる思考と願望を原動力にすると、人の道はいつか枯渇します。
いや、輪廻転生のプロセスの中では、これに血道を上げるという人生もあっていいのですが。
魂が成熟してくると……
あるいは魂の成長段階のどこかで……
だと思うのですが、こういったエゴの思考と願望では、先に進めなくなる段階が来ます。
たとえば、いい成績を取らなくちゃと必死になって勉強するのは、厳しい親に認められたいから、というケースもあります。
親に嫌われる、認められない、見捨てられる、といった恐怖が原動力です。
この傾向はいい会社に入り、社会的なステータスを得たり、収入を上げたりというような欲求……など、延々と繋がっていく可能性が高い。
そして、こういった〝恐れ〟に裏打ちされた動機ほど、脆く、崩れやすいものもない。
器にこういったものを蓄えて人生の旅に出ると、仕事や会社での挫折や失脚、人間関係や結婚での破綻などで、簡単に自分という器自体が壊れる、ということにもつながります。
これらの根源には、突き詰めていくと、なんらかの〝恐れ〟がある率が高い。
（すべてではないと思います）
この恐れ体験の果てに、怒りや憎しみに置き換える人もいるかも知れません。
しかし、それでは幸せになれないと、いつか知ります。
知ったときが、器の割れるときです。
割れても、器を作り直すことはできます。
場合によっては、割れた器が「金継ぎ」のような技法でより気品のある器になることもあるでしょう。
そうなるためには。
エゴで器を満たすのではなく、大きなものに自分の器を明け渡す必要があります。
それには、エゴさんには消えていただかないといけません。
少なくとも器上からは。
これが、自分がなくなるとき、最高のパフォーマンスが発揮できるということにつながります。
明日に続きます。
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