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作家として
占星術研究家として
家族を持つ一人の男として

心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。


2016年7月26日火曜日

お別れの日


私たち夫婦にとって、苦楽を共にしてきた車が二台あります。

それはカローラ・ワゴンとオッティ。
この二台は、私たち夫婦・家族が、もっとも苦境にあったときに足となってくれた車です。

田舎住まいなので、自動車がなくてはとても生活できません。交通機関がまったくなく、通勤も買い物も、何もかもが車でした。
しかし、この二台を使っていた時代というのは、私たちはド貧乏でした。
生きるか死ぬかというような表現が大げさでないとき、それでも生活のために車は必要でした。

カローラ・ワゴンは当時、中学生や高校生の子供の自転車を積載でき、山道を登って帰ってこられる車として必要でした。
男の子ならいざ知らず、膝の故障を抱えている娘が、だ~れもいない山道を帰ってくるというのは、今どき物騒です。
ですから、私はホテルの休憩時間を抜けて、娘を迎え、自宅に送り、そしてまたホテル勤務に戻るというようなアクロバットなこともやっていました。

カローラ・ワゴンはその後、娘に与えられ(なんと5MT)、やがて娘が社会人となり、自分で車を購入するときに、とうとうお別れとなりました。
たいした故障もなく、タフな車でした。

そして、オッティ。
この車も5MT。
今どき探しても見つからないような車を中古車屋で見つけ、どうしても生活のために一人に一台必要な私たちの足としてやってきました。

この時期、私たち夫婦は軽四しか所有しておらず、どこかへ取材に行くといっても、軽四でしか動けませんでした。
遠乗りするときはこのオッティ。
奈良、香住、出雲というアクロバットな旅行もしました。

がんがん走り回っても、この車もタフでした。


奇しくもですが、このオッティとカローラ・ワゴン。
どちらも色が青でした。まあ、とくにオッティは色の選択の余地などなかったのですが。

このオッティは今では奥さんの日常の足となっていたのですが、とうとう、今日、お別れです。
走行距離はとっくに10万キロメートルを超え、タイミングベルトも交換していたのですが、マイナー・トラブルがあちこちに。
タイヤももう全交換しなければならず、バッテリーも替えなければならず、そして来年2月が車検。
という状況で、とうとうラジエーター全交換をしなければならない事態に追い込まれました。


正直、奥さんにも私にも愛着がありすぎて、悩みましたが。
今後のこと、我が家のハードな使用状況を考えると、ここで新しい車に替えたほうが……という選択に至りました。

いつも我が家周辺の泥ハネで、まるでラリー車みたいになっているのですが、今日は洗車してやりました。
せめてきれいにして送り出してやろう。

写真はきれいに撮れていますが、実際には塗装も剥げてきていて、ちょっと痛々しい。
それもこれも、生活に追われて、ろくにワックスもかけてやれなかったから。

よく走ってくれました。
故障個所を修理してもらって、できたらまた誰かの足となってくれたら……

たくさんの思い出をありがとう。
そして私たちを支えてくれてありがとう。