斎宮塾∞(いつきのみやじゅく)の第1回です。
ここでは、まずタロットカードの日常の「取り扱い」と「向き合い方」について解説します。
とくに「向き合い方」は、非常に重要です。
カードの取り扱いについては、他のタロットとなんか変わりはありません。
◇保管・管理方法
カードはバラバラに放置せず、ちゃんと重ねてしまっておきます。
専用のケースに入れておくのが一番です(いつきのみやタロットは通常紙箱なので、それでOK。気になる人は、さらに布に包んでおくと良いでしょう。紙箱が心許ない方は、専用のレザーケースもご用意しておりますので、購入なさってください)。
カードは柔らかい布などで、時折きれいに拭いてあげてください。手垢など汚れが付着していると、カードの滑りが悪くなり、シャッフルなどの支障になることがあります。カードのメンテナンスは、じつは「向き合い方」とも関連しますが、カードとの関係性を構築する上で重要です。
使用する前に、何らかの浄化を行うのもお勧めです。テンィンシャやクリスタルチューナーの響きで浄化する、あるいはセージの煙などで浄化するなど。
こういったものがとても有効です。
私は自宅ではティンシャ、出張鑑定など出先ではクリスタルチューナーを使用しています。カードが重く感じたら、セージでいぶすのも良いでしょう。
◇使用する際に
専用のタロットクロスを用意してください。色や素材は好きなもので結構ですが、あまり刺激的な色、赤などはお勧めしません。自分も相談者も気持ちが落ち着く色を選択してください。
簡易的にテーブルクロスなどでも気に入った良いものがあればOK。ただし、カード専用にしてしまって下さい。
タロットリーダー(使用する人=占う人)は、心身のコンディションが整っていることが望ましい。
カードに触れる手指は、当然、清潔にしておく方が良い。
カードを使用する前に、雑念を払い、気持ちをクリアにすること。質問について考えることは良いが、結果についてあれこれ考えない。
使用前に祈るなども良い。
◇カードとの向き合い方1(信頼関係の構築)
非常に大事な部分です。
本日の記事の中でも、絶対に理解を深めて欲しいところです。
そのキモは、〝信頼関係〟です。どういう信頼関係かというと、それは自分とカードの信頼関係です。
カードの的中率は、ずばり、ここに関わっています。つまり使用する本人が、カードに疑いを抱いているとか、当たるか当たらないかわからないと不安を抱いている状態では、カードはそれに応えません。
それだけぶれます。
自分がどれだけカードを信じられるか。
自分とカードとの間に、信頼関係が構築できているか。
この〝強さ〟によって、あなたとカードのリンクは変わります。
前項で「タロットリーダーは、心身のコンディションが整っていることが望ましい」ということと、少し矛盾するように思われるかもしれませんが、「自分が風邪を引いていようが、寝不足だろうが、カードは絶対に示すべきものを示してくれる」くらいに確信を持ったほうが良い。
ただし、結果に照らして、理性的にカードが提示した情報が正しかったのかどうか、検証する必要はあります。
ですから、ここでいう〝信じる〟というのは、〝盲信〟ではありません。
もともとタロットは人の潜在意識や集合意識にアクセスするためのものですから、この集合意識の中には〝雑音〟も存在し、イレギュラーなものを拾ってしまう可能性もあるのです。
タロットリーダーの心身コンディションを良い状態に保っておく必要があるのは、まさにこの〝雑音〟を拾わないためというのもありますし、展開されたカードを見て〝解読〟〝判断〟するとき、あるいは〝メッセージを受け取る〟ときに、異常に疲れていたり、本人が不安でいっぱいだったりすると、ちゃんとした判断ができない、あるいはうまくメッセージが受け取れないなどの支障が生じる可能性があるからです。
私は、自分がどのような状態であろうと、タロットは正確なメッセージを提示してくれるという信頼を持って、カードを引いています。
でも、そこを検証する心の〝余地〟は必ず残します。
本当に稀ですが、リーディングと相反する結論が生じることや、その時点では納得のできない現実が発生することがあります。それはなぜなのか、と考える理性や反省は持っておくべきです。もしかすると、その時の自分の心のコンディションにお問題があったのかもしれないし、実はプロセスの問題で、最終的にはタロットの結論に行き着くのかもしれない。
しかし、こういった検証すら行えないのは、重大な問題です。
自分の引いたタロットとそのリーディングと違った現実が生じ、クライアントに向かってキレてしまうとか、そんなものは論外です。
タロットは、きわめて曖昧で微妙な技法です。
だからこそ、独善に陥ってしまうのは、現に慎まねばなりません。
こう申し上げると、「タロットを信じるのに疑うの?」と思う人もいるかも知れませんが、信じて向き合うことと、その後の理性的判断や評価は異なります。
これは、人間関係に置き換えてもらったら、簡単に理解できます。
私たちは信頼できる(信頼できそうな)人との間で、友人になったり夫婦になったり、一緒に仕事をしたりします。
しかし、100%の信頼というのは、この現世ではありません。
人生を終えるとき、ようやく100%になるといったほうがいいでしょうか。
でも、信じ、心を開かなければ、親密な関係になることはできません。
親友になる、恋人になる、夫婦になる、共同経営する。
そういった関係になったときに、では、「関係が築けた」「もう大丈夫」と安直に思うでしょうか? それでいいのでしょうか?
それは違いますよね。
親友や恋人や配偶者が裏切ることもある。
現実に。
頭から信じ込んで、裏切りを見て見ぬふりをしていたら、傷がとんでもなく深くなってしまうこともある。
だから、このタロットとの向き合いの中には、ここ最近、お伝えしてきたことが関係しています。
自分が全責任を負って、タロットを信じるのです。
ただ、何か問題や疑念が生じたときには、タロットのせいにしない。
それもまた自分の責任において吟味する必要があります。
そこには、たいてい〝答え〟があります。
タロットの不調は、多くは自身の不調です。自分の不信や不安が招いているのか、読み違えなのか。
あるいは、何かもっと大きな意味があるか。
なんにせよ、〝絶対〟はないと理解しておく心の余裕が、逆に真の信頼を生むのです。
またその〝信頼関係〟を構築するための禁忌というのか、避けたほうが良いこともあります。
◇カードとの向き合い方2(信頼関係の構築のための禁忌)
これもまた一般によく言われることですが、
・同じ質問を繰り返さないこと
はとても重要です。自分の気に入らない答えだからといって、何度も同じ質問を繰り返すのは、そもそもカードを貶め、汚ししています。信じていない行為です。
このようなことを繰り返せば、カードのほうもかならず「ああ、この人との間に信頼関係はない」ということになります。
あなたが友人との間に、何かの約束を取り付け、そのことについて後で幾度も幾度も「あれって約束したよね」「大丈夫よね?」などと繰り返したら、その友人はどう感じるでしょうか?
当然、「ああ、この人は自分のことを信じていないんだな」ということになります。
タロットカードに限りませんが、同じ質問をカードに向かって繰り返さない、というのは、一つの禁忌として設定されています。これを「よく言われていることだ」と甘く見ないことです。
このようなことを繰り返せば、カードとの信頼関係は消滅します。
結果、カードは答えてくれなくなります。
同じ質問を二度としてはならない、ということではありません。
これについては、いろいろな意見が世間にはあります。一ヶ月程度はあけろとか、新月を挟めとか、何か大きな出来事があったらOKとか。
この禁忌の根源にあるのは、「信頼関係を損ねる」かどうかなのだと、私は解釈しています。
その意味合いからすると、
・状況が大きく変わる何かがあった
・大きな転換・変化があった
・ある程度の時間が経過した
・誕生日を経過した
・ひと月経過した
などのことがあれば、今一度問いかけてみるのはありかと思います。
たとえば自分や関係者の仕事状況が変わる、退職や転職、部署替え、学校なら卒業とかクラス分け、進級、卒業、個人でも転居や結婚、離婚など目立った変化が生じた場合、タロットを引く背景が大きく変化しますので、再度問いかけても良いかと思います。
こういった変化は、運勢的には誕生日や、前回の鑑定からひと月ほどが経過すると小さな変化が起きますので(占星術的にも)、こういった節目を挟んで行えばOKかと思います。
こういった時間の経過や状況の何の変化もない時点で、同じ質問を発しても、どちらかといえば、タロットカードとの信頼関係を損ねる方向に働きかねません。
自分が望む答えではなく、示された答えを受け取る、という姿勢が、タロットの場合、とくに必要とされます。
本日は、ここまで。
基礎中の基礎を語らせていただきました。
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