斎宮塾∞(いつきのみやじゅく)の第2回です。
普通なら、ここでカードの展開方法というところなのですが、これについては過去の記事で公表しております。
展開方法については、上の記事と記事の中で紹介している動画をご覧下さい。ですから、手順については、ここでは割愛いたします。
いつきのみやタロットの展開方法は、ヤタガラス・スプレッドと名付けております。
これは、いつきのみやタロットの作画の中に、かならず日本神話の導きの神、ヤタガラスの意匠を取り入れているからです。
最初に引く4枚は、このような構造的な意味合いを持っています。
そして、このカード展開の基礎的な読み方は、以下のようになっています。
◇読み方の基本1
①のカードは、頭=トップです。
ここに問いかけた物事の全体傾向・吉凶などが表示されます。
いつきのみやタロットは、基本的にどのようなカードも正位置がポジティブな意味合い。ですから、①のカードが正位置であれば、問いかけた内容に対してポジティブな傾向が示され、良い状況や結果が用意されている確率が高いとみます。
②③④は問いかけた内容の、過去、現在、未来というのが基本的な読み方です。時間の流れもここにあります。
①のカードがポジティブな暗示であれば、②③④は①の内容の推移を過去から未来に向かって語りますが、正位置とは限りません。②③④のどこかに注意すべき点、対処すべき問題などが逆位置で示されることがあります。
②③④すべてが正位置であれば、①の良い暗示がどのような事柄で構成されているか、その内容を語っているとみれば良いでしょう。
①のカードが逆位置の場合、問いかけた物事はネガティブな暗示が強いわけですが、この場合、②③④のヤタガラスの三本の脚は、①の問題を解決させるため、対処するためのアドバイスの意味合いが強くなります(過去、現在、未来というのは基本的に変わらずあります)。
②③④の中にある正位置のカードは、ネガティブな①の問題や事態の中でもプラスの材料と見ることができます。逆に逆位置のカードは、ネガティブな①の問題や事態の内容そのものを表現します。
つまりトップのカードがポジティブな状態かネガティブな状態かで、ヤタガラスの三本の脚の読み方は少し違ってくる。
ここまでよろしいでしょうか?
仮に「今やろうとしている仕事はどうなるか?」という問いかけをし、下のように4枚が展開されたとします。
◇読み方の基本2(視線の重要性)
マルセイユ・タロットと同じ人物構図を持ついつきのみやタロットでは、描かれている人物の視線を重視します。
上のサンプルのカード展開も、視線をプラスして考える必要があります。
とくに③の世界の逆位置ですが、この仕事の問題に関しての「欠けている部分」「足りない部分」があることを示しています。
その足りない部分が、世界の女性が見ている右側のカード、戦車にあると見ることもできます。
この視線です。
「不足しているもの」が何か。
それはもしかすると、戦車の示す強気、勇敢な姿勢、前進力などかも知れません。戦車は当然、騎手が馬をコントロールしているので、そのような「全体を御す」力かもしれません。
戦車もまた世界を見ているわけで、未来における勝利・成功のためには、世界・逆の問題点を解決する必要がある、という見方になります。
つまり、ヤタガラス・スプレッドで大切なのは、視線で関係性が生じているカードを、セットで解読するということです。
◇読み方の基本3(リンクカード)
上記の基本の4枚だけでも、おおよそのことは解読できます。
しかし、ヤタガラス・スプレッドでは、②③④のカードにリンクカードを追加で引きます。
※リンクカードの引き方は、冒頭でお伝えした記事を参照のこと。
リンクカードが発生する条件は、②③④のカードが逆位置であるか、視線を向けている先がブランク(空白)であるか、のどちらかです。
この展開の場合、青い矢印の方向に新しくリンクカードを引くことができます。リンクカードはすべて正位置で引きます(逆で出ても正位置にする)。
このリンク展開を行った結果、以下のようになったとします。
リンクカードは視線の先のブランクがある限り継続します。
隠者の左に斎宮(いつきのみや)が出ましたが、まだ左を見ているので、神の家を引きました。神の家は視線がないので、ここで隠者からのリンク展開は止まります。
世界は逆位置なので下方にリンクカードを引きますが、これが〝名前のないカード〟で、右を見ているのでさらにリンクさせると、月が出ました。
リンクカードは、基本的にその元になっているカードと関連している事案、人物、内容などを表示しますが、やはり元にあるカードがネガティブな状態のとき(逆位置)には、それに対するアドバイスとして、対処や解決方法を提示します。
この展開の場合ですが。
仕事に関する始まりにあった隠者がリサーチだったとします。
そのリサーチは、おそらく様々な文書やネット上も含むデータを分析したものだったと思われます。なぜかというと、斎宮は巻物(文書)を手にして読んでいます。
また隠者と斎宮は、どちらも「秘密」ということに関係しています。つまrち、あまり世間には出ていない情報を求めたか、あるいは世間に知られないように秘密裏に調べたか、ということになります。
終着点の神の家は、このプロジェクトの始まりが、「天の意志」=組織ならばトップダウン的な意向で生じた可能性を示しています。あるいは、こういった事前調査の段階で、すごく大きなデータバンクや企業にそれを求めたとか。
神の家は大きな組織ですが、物理的にでっかい会社というのではなく、この場合は膨大な情報を持っているところ、という解釈もできます。
世界の逆位置の下には、〝名前のないカード〟が出ました。
世界R(リバース)の意味としては、手を広げすぎている可能性がありましたが、その解決策として〝名前のないカード〟が出たのなら、これは大胆な取捨選択、切り捨てるものがあることを示します。
〝名前のないカード〟は、一般的なタロットでは死神ですが、鎌を持っています。正義のカードも剣を持ちますが、このような刃物を持つカードでは、しばしば不要なものを切り捨てる必要が示されます。
〝名前のないカード〟は月を見ています。
月は二つの建物、二匹の動物が描かれています。これは切り捨てるべきものの内容を示しており、この展開から想像すれば、手を広げている仕事の中身に、二つの下請けとか、あるいは二つの意見や勢力の影響が働いているが、どっちつかずの対応をしているために、あれもこれもになっているのではないか?
大胆にどちらかに定めるべき。ということになります。
どうでしょうか?
このようにリンクカードを得ることで、いつきのみやタロットとヤタガラス・スプレッドは、ある事案や問題に関して、非常にリアリティのある深みのある解読が可能になるのです。
◇読み方の基本4(視覚的な印象)
これはどのようなタロットカードでも言われていることです。
カードは〝絵〟なので、その絵から受け取るイメージや情報はとても重要です。このため、カードはきわめて感覚的、感性豊かな方でも、〝受け取るイメージ〟に沿った解釈が可能です。
カードそれぞれの意味は、もちろん外せない情報ですが、イメージを広げることで、隙間が埋まっていく、あるいはより明確な内容が引き出せるのです。
今回、サンプルとして作ったカード展開にも、はからずも、そういう部分があります。どこか?
それは、以下の部分です。
え? どこ?
と思うかもしれませんが。
よく見てください。
隠者の足元。
彼のすぐ後ろは崖なのです。
つまり、ちょっとでもうかつに後ろへ退いたら、落ちてしまう。
隠者のカードというのは、正位置であっても、そもそもノー・リスクではないのです。
その「危険」があるのは、隠者の背後、つまり世界Rにあることになります。(視線はないけど、構造的にそうなっている)
おお! と、思いません?
タロットカードを展開し、リーディングするというのは、こういう驚きの連続です。
斎宮塾、今月中に、もう一回できればと思っております。
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